第4章 6.7-2 弥生杉、さらば白谷雲水峡

 さつき吊り橋を渡ったところで休息する。陽のあたるベンチで荷物と全身を干す事にする。
靴と靴下も脱いで陽にあてる。気持ちがいいよー。"太陽の恵み"という物を心から味わう。
さすが南国の太陽・・・みるみる乾いてゆく感じ・・・。10:44上空が曇りだし、たちまちガスが
山肌をかすめ始める。屋久島の天候は一筋縄ではくくれない。干したものをたたもうか。

  

 11:05弥生杉へと出発する。このコースは自然観察道の中なので、そこらの公園並に
整備された歩道を歩いて行く。しかし、馬鹿にはできないくらいの景色を観る事が出きる。
途中の沢ではメスの鹿にも出会った。ビデオは、もうバッテリーが切れたのでデジカメで
撮る。大きな蟻をマクロで写したままだったのを忘れていたためボケていた。残念・・・。

  

 弥生杉は根っこを踏まれないように木のテラスで覆われていた。親娘3人連れが写真を
撮っていた。私もデジカメで見当をつけて、仰角で(カサが邪魔して上を向けない)三方向
から撮る。確認。着生した照葉樹を飾り、王様の様に写っている。貫禄がある。

  

 気根杉も撮って、白谷雲水峡での日程を終える事にする。歩道を通って案内所に帰って来る。
まる一日ぶりだ。"鹿も見れたし、太鼓岩からも撮れたし、もう撮る物が多すぎてバッテリーが
切れちゃいました。"と報告すると、"それは良かった。パーフェクトですね。"と喜んでくれた。
御礼を言って休憩所で荷物を降ろす。

  

 とても本格登山とはいえないが、私にしたら久々の体験である。達成感もそれなりに味わった。
太鼓岩の上に立った時の気持ち・・・あれが登山家さんを山に向かわせるものなんだろうなあと思う。
ビデオとデジカメは貴重な映像資産になった。今度は映画を撮りに来るのもいいな。(天候に泣かされる
だろうから、ゆっくりとスケジュールをとって)
 後はバスを待つだけだ。14:40まで3時間近くあるので、今回の反省点等書いたリ、デジカメの画像を
点検したりしながら過ごす。今日は、シャワーと電源が欲しいので、また"たんぽぽ"に泊まろうと心に
決める。12:42 ガスが出てくる。入口だって、それなりの山(約600mくらい)なのである。13:02 今日の
予定を立てていたら、案内所のおばさんが"飴でもなめな"と一口羊羹やニッキなどを沢山くださった。
おなかも空いていたのでありがたい。とれた歯のこともあって柔らかいのから順に、結局全部食べた。
おいしいです。ニッキ飴の味も懐かしいです!

                               

 宮之浦発のバスがやってくる。乗客は誰も乗っていなかった。車の人が多いのか。待ってる間にも、
レンタカーやタクシー、マイカーで来たらしい人が何人か入口をくぐっていたが。運転手さんは、ここで
昼休みかな?14:40の発車まで、案内所にいた。デジカメで谷川を撮ったりしてるうちに時刻が来た。



 案内所の斜め前方くらいからバスが発車する。乗客は私一人だ。運転手さん(来た時と同じ女性の方)に
話しを聞くと、今はレンタカーを使う人が多いのだそうだ。路線バスの運転手さんとお話するのは初めてだ。
土日には地元の方がシャクナゲを見にあがるという。今年は花が多い年のはずで(周期がある)今年見ないと
また、3年くらい待たないといけないらしい。ヤクスギランドや永田いなか浜の事も教えてくれた。
 次の目的地"猿川のガジュマル"へ行くなら、どこのバス停で降りたらいいかを聞いてみた。

「中橋で降りて、ちょっと戻る方が近いかなあ。中間くらいなんですよね。」

 と、教えてくれた。観光客はガジュマルといえば志戸子か中間に行くので、人気が無いらしい。グッド!

                             ★★

 宮之浦港入口で降りて、近くのスーパーへ。トレパンか何か売ってないかなあと探したが無かった。
実はズボンが結構汚れているのだ。とりあえず、たんぽぽへ向かう。TELすると今日も大丈夫だった。
歩きながら、家へ電話する。雲水峡は圏外だったので、どこにも連絡が取れなかったのだ。
友人知人にもメール。感動を醒めないうちに分けて送る。

 今回はお風呂の隣の部屋。宿の人に教えてもらった店で安い作業ズボンを買い、シャワーを使い、石鹸で
身体を洗う。体重は1.5kg減っていた。まあ、24Hならこんなもんでしょう。さっぱりとしたところでスーパーの
調理パンをいただく。今回は朝食のみを頼んだのだ。ついでにカロリーメイトの残りも平らげる。よしよし。
御茶請けのよもぎ煎餅も食う。よしよし。コイン・クーラーをつけてTVでコンフェデ杯準決勝、日vs豪を見る。
よしよし。(文明の毒気は抜けてない)豪雨の中戦う両チーム。押され気味、苦戦の中、中田の芸術的な
フリーキックが壁の足元を抜け、ゴー〜ル!これを守って日本の勝利。決勝は10日7時、見れないか・・・。

                            ★★★

 デジカメもビデオもバッテリーの充電が出来た。ビデオを観ておこう。・・・持ったまま進んだ時が、概ね傾いでる。
まあ、良いのはいっぱい撮れてるからいいか。色はSONYの方がいいのかも。後は、編集と調整で・・・。22:26
ぼつぼつ眠くなる。


                       第4章 6.8-1 猿川のガジュマル